2015年9月27日 (仮訳)ハナビラタケ属の新種および顕著な地理的分化:形態および分子データによる証拠 Zhao, Q. et al., 2013. New species and distinctive geographical divergences of the genus Sparassis (Basidiomycota): evidence from morphological and molecular data. Mycological Progress. … Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-012-0853-7 [Accessed September 27, 2015]. 【R3-02233】2015/09/27投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 東アジア産ハナビラタケ属菌の形態学的検討および分子系統解析を行った。 東アジア産分類群として新種S. subalpina、新品種S. cystidiosa f. flabelliformis、およびS. latifoliaを掲載した。 これらの分類群では地理的分化が生じており、各々の分布域は比較的狭く、大陸をまたいで分布する例はなかった。 中国雲南省保山市騰衝県高黎貢山 (新品種) Sparassis cystidiosa f. flabelliformis Q. Zhao, Zhu L. Yang & Y.C. Dai 語源…扇形の 【よく似た種との区別】 Sparassis cystidiosa 傘が非常に幅広い扇状 傘縁部が僅かに波打つのみである 子実層面が暗い帯灰褐色 担子胞子が比較的大型 ITS+rpb2+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIIIに含まれる) 本品種と異なり中国ではなくタイのみから知られている 本品種と異なり熱帯域に分布する 本品種と異なり子実層シスチジアを有する 中国雲南省麗江市玉竜ナシ族自治県老君山 (新種) Sparassis subalpina Q. Zhao, Zhu L. Yang & Y.C. Dai 語源…亜高山帯の 【よく似た種との区別】 Sparassis brevipes 傘が散在する 傘の幅が広い 子実体の基部が塊状 ITS+rpb2+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIIに含まれる) 本種と異なり中国ではなく中欧などに分布する 本種と異なりトウヒ属、ツツジ属、コナラ属ではなくモミ属、ブナ属、コナラ属植物などと関係を持つ 本種と異なり傘が断片化して頂縁部の下部で他の傘と融合する 本種と異なりクランプを子実上層のみに有するのではなく全体的に欠く ITS+rpb2+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sparassis miniensis 傘が散在する 傘の幅が広い 子実体の基部が塊状 ITS+rpb2+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIIに含まれる) 本種と異なり中国ではなくスペインなどに分布する 本種と異なりトウヒ属、ツツジ属、コナラ属と関係を持つのではなくマツ林に発生する 本種と異なり傘縁部が僅かによじれるのみではなく不規則な切れ込み状 本種と異なり傘に環紋を欠く 本種と異なり傘肉が頑丈ではなく脆い 本種と異なり子実体の基部が橙色~帯紫ばら色 本種と異なり子実上層にクランプが多数生じるのではなく散在する ITS+rpb2+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sparassis spathulata 傘が散在する 傘の幅が広い 子実体の基部が塊状 ITS+rpb2+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIIに含まれる) 本種と異なり中国ではなく北米東部などに分布する 本種と異なりトウヒ属、ツツジ属、コナラ属ではなくほとんどの場合マツ属およびコナラ属植物と関係を持つ 本種より子実体のサイズが顕著に大きい 本種より担子胞子が僅かに長い 本種と異なり菌糸にクランプを欠く ITS+rpb2+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sparassis latifolia(ハナビラタケ) 中国に分布する 生息環境が類似している 傘の幅が広い 本種と異なり日本およびロシアにおける分布が知られている 本種と異なり傘に環紋を欠く 本種より子実体の基部がしっかりとしている 本種と異なりクランプが子実上層のみではなく子実体全体に分布する ITS+rpb2+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIIIではなくクレードIに含まれる) (その他掲載種) Sparassis latifolia Y.C. Dai & Zheng Wang ハナビラタケ 【よく似た種との区別】 Sparassis crispa 形態的に類似している(誤同定された例がある) ITS+rpb2+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIに含まれる) 本種と異なり中国、日本、ロシアではなくヨーロッパ、北米東部などに分布する 本種と宿主の植物が異なる 本種と傘の形状が異なる 本種より柄が短い 本種と担子胞子のサイズが異なる ITS+rpb2+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sparassis radicata ITS+rpb2+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIに含まれる) 本種と異なり中国、日本、ロシアではなく北米西部などに分布する ITS+rpb2+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Sparassis subalpina 中国に分布する 生息環境が類似している 傘の幅が広い 本種と異なり日本およびロシアにおける分布が知られていない 本種と異なり傘に環紋を有する 本種ほど子実体の基部がしっかりとしていない 本種と異なりクランプが子実体全体ではなく子実上層に限って生じる ITS+rpb2+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIではなくクレードIIIに含まれる)